ストレスチェックの実施者・実施事務従事者の役割は?守秘義務違反に罰則も!

ストレスチェックの実施者・実施事務従事者の役割は?守秘義務違反に罰則も! ストレスチェック

ストレスチェックの実施にあたり実施者、実施事務従事者の役割は重要となりますが具体的にどのような役割があるのでしょうか?

またストレスチェックの結果を扱うことから実施者、実施事務従事者には守秘義務があります。違反した場合はどのような罰則があるのでしょうか?

今回はストレスチェックの実施者・実施事務従事者は何をするのか、その具体的な役割や守秘義務についてお伝えします。

人事権を持つ者はストレスチェックの実施に携わってはいけない

労働安全衛生法において、ストレスチェックの受検者について人事権を持つ者は、ストレスチェックの実施事務に携わってはいけないと明記されています。

そのため、実施者・実施事務従事者は人事権がある人は担当することはできません。

詳細については下記の記事をご覧ください。

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ストレスチェックの実施者とは?

ストレスチェックの実施者

労働安全衛生法において実施者は、「医師」「保健師」または、厚生労働大臣が定める研修を修了した「看護師」「精神保健福祉士」「公認心理士」と定められています。実施者になるには上記のような国家資格が必要となります。

(心理的な負担の程度を把握するための検査等)
第六十六条の十  事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。

引用:労働安全衛生法 第66条の10第1項

(検査の実施者等)
第五十二条の十 法第六十六条の十第一項の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者(以下この節において「医師等」という。)とする。
 一 医師
 二 保健師
 三 検査を行うために必要な知識についての研修であつて厚生労働大臣が定めるものを修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士又は公認心理師
2 検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない。

引用:労働安全衛生規則 第一編 第六章 健康の保持増進のための措置(第四十二条の二-第六十一条の二)

ストレスチェックの実施者の役割

ストレスチェックの実施者の役割について、「ストレスチェック指針」において次のように定められています。

実施者は、ストレスチェックの実施に当たって、当該事業場におけるストレスチェ ックの調査票の選定並びに当該調査票に基づくストレスの程度の評価方法及び高スト レス者の選定基準の決定について事業者に対して専門的な見地から意見を述べるとと もに、ストレスチェックの結果に基づき、当該労働者が医師による面接指導を受ける 必要があるか否かを確認しなければならないものとする。

引用:心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づ き事業者が講ずべき措置に関する指針

上記内容からストレスチェックの実施者の役割は大きくわけて3つあります。

  1. ストレスチェック実施にあたり、企業側に対して専門的な見地からアドバイス等意見を述べること
    事業者がストレスチェックを実施する際、質問表をどれにするか(一般的な57項目版か、より詳細な集団分析ができる80項目版か等)、集団分析や職場環境改善についてのアドバイス等を行います。
  2.  高ストレス者の選定基準や評価方法の決定にあたり、企業側に対して専門的な見地からアドバイス等意見を述べること
    ストレスチェックでは高ストレス者の選定基準等は、最終的には事業者が決定しますが、その際に、社内の衛生委員会での意見や、実施者の専門的なアドバイスが重要となります。
  3.  個人結果から、医師による面接指導が必要かについて判断すること

ストレスチェックの実施者には専門的な見地からのアドバイスや判断が任せられています。

ストレスチェックの実施においては、調査票の回収や集計、受検者との連絡調整等の作業が発生しますが、それら事務的な作業については、「実施事務従事者」が実施者の指示に従って行うこととなります。

実施者を外部委託する場合

実施者は外部委託することも可能です。
厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」においては、ストレスチェックの実施を外部委託する際には、自社の産業医などの産業保健スタッフが共同実施者として関わることを推奨しています。

ストレスチェックの実施を外部機関に業務委託する場合にも、産業医等の 事業場の産業保健スタッフが共同実施者として関与し、個人のストレスチェ ックの結果を把握するなど、外部機関と事業場内産業保健スタッフが密接に 連携することが望まれます。
引用:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」

ストレスチェックの実施事務従事者とは

実施事務従事者は、実施者の補助をする役割を担います。

質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当します。
社内の衛生管理者、産業保健スタッフや事務職員が担当する場合が多く、外部委託も可能です。

厚生労働省の「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」では、実施事務従事者は実施者の事務的な補助を行う役割があると示されています。

実施者のほか、実施者の指示により、ストレスチェックの実施の事務(個人の調査票のデータ入力、結果の出力又は記録の保存(事業者に指名された場合に限る)等を含む。)に携わる者をいう。
引用:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」

ストレスチェックの実施事務従事者の役割

実施事務従事者は、実施者の指示により、質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務等ストレスチェックの実施の事務を担当し、ストレスチェックが円滑に行われるために重要な役割を担っています。

実施事務従事者の具体的な役割としては次のことが挙げられます
・ストレスチェック実施の日程調整
・受検者へのストレスチェック実施の案内
・質問票の配布回収
・受検勧奨
・結果の通知
・集団分析の結果を事業者に提供
・面接指導が必要な従業員への面接指導申出の勧奨
・面接指導の日程調整

・結果記録の保存(事業者に指名された場合) など

守秘義務違反の場合は罰則も

ストレスチェックの結果を扱うことから、実施者・実施事務従事者には法律で守秘義務が課され、違反した場合は刑罰の対象となります。

守秘義務違反の刑罰の内容は、「労働安全衛生法における守秘義務に係る規定」において、「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」とされています。

ストレスチェックの個人結果の記録保存については、保存が適切に行われるよう記録の保存場所の指定、保存期間の設定及びセキュリティの確保等、必要な措置が講じられることが事業者に義務付けられています。

しかし、結果の記録保存の担当者は、実施事務従事者が指名される場合が多く、第三者に閲覧されることがないよう厳重に管理することも実施事務従事者の役割に入ることもあります。

おわりに

ストレスチェックの実施者・実施事務従事者の具体的な役割について説明してきました。事務的な職務を担う実施事務従事者は、重要な役割と担うことになりますが、実施者と連携・協力しながらストレスチェックを円滑に運営することが期待されています。

 

ストレスチェック8年間の経験と40万人の実績がある日本CHRコンサルティングでは、厚労省ストレスチェック制定委員メンバーの精神科産業医が運用を整備し、300社以上のストレスチェック支援経験のある組織コンサルタントが職場環境改善をサポートします。全国対応しております。お気軽にお問い合わせ下さい。
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記事監修
渡辺 洋一郎(弊社代表取締役)

精神科医専門医・日本医師会認定産業医。
川崎医科大学卒、1988年渡辺クリニック(2018年改称)を開設。
その後、厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の在り方検討委員会」委員、内閣府「自殺対策官民連携協働会議」委員、公益財団法人日本精神神経科診療所協会会長など歴任。
現在、医療法人メディカルメンタルケア横山・渡辺クリニック名誉院長、大阪大学医学部神経科精神科非常勤講師、一般社団法人日本精神科産業医協会共同代表理事ほか。
ストレスチェック法制化においても、厚生労働省「ストレスチェック制度に関する検討会」「ストレスチェック項目に関する専門検討会」「ストレスチェック制度マニュアル作成委員会」などの委員を務める。

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