仕事中イライラが止まらないのは病気?原因や対処法を解説!

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「仕事中イライラして自制しようと努力しているけど抑えられない」

「仕事中にイライラが止まらない、助けて!」

「イライラが止まらないのは病気のせい?病院に行ったほうがいいのか?」

生活の中で多くの時間を占める仕事中に、イライラが止まらないという事態に陥るのはとても辛いことですよね。

自分だけがそうなっているのではないか?どうにしなければと焦るほど、不安が募りさらにイライラが止まらず、さらに悩みを深めるという悪循環に陥ることもあります。

今回は、仕事にイライラが止まらない原因と対処法についてお伝えいたします。

仕事中イライラが止まらないのは病気?

仕事中にイライラが止まらないのは病気なのでしょうか?

一般的に「イライラする」とは、些細なことですぐに不機嫌になる「易刺激性(いしげきせい)」や、些細なことにすぐ腹を立て 怒りっぽい「易怒性(いどせい)」といった状態を指し、怒りだけではなく、わけもなく涙が出たり、泣いたりすることもあるかもしれません。

このように怒りやすい、または頻繁にイライラするといった症状は、次のような病気のサインかもしれません。

うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、境界性パーソナリティ障害、強迫性障害、不眠症、依存症、発達障害、脳卒中、認知症、性ホルモンバランスの乱れ(月経前症候群、月経前不快気分障害、更年期障害)、甲状腺機能亢進症など

イライラするという症状のほかに、次のような症状や状況がないか確認してみてください。自覚のない場合もあるので、身近な人と一緒にチェックできるとより良いでしょう。

  • 気分の落ち込み
  • 高揚感と落ち込みの繰り返し
  • 幻覚、妄想
  • 人間関係が不安定
  • 施錠など何度も確認しないと不安
  • 寝つきが悪い、夜何度も目が覚める、朝かなり早く目が覚める
  • 特定の物質や行為がやめられない(アルコール・タバコ・ギャンブルなど)
  • コミュニケーションが苦手
  • 脳の病気やケガをした
  • 物忘れが目立つようになってきた
  • 性格が変わった
  • 月経周期と関係している(生理の10日前頃から生理開始頃の間にイライラしやすい)
  • 50歳前後で、ほてりやめまいなど多彩な症状
  • 動悸、多汗、眼球突出など

自分の感情に振り回されるのはとても辛いことですよね。無理に抑えようとすれば症状が悪化することも考えられます。

気になる症状や上記の例で思い当たる症状がある場合には、適切に対処するためにも、かかりつけ医、精神科医や産業医、カウンセラーなど専門家への相談をおすすめします。

仕事中イライラが止まらない原因

仕事中イライラが止まらないことについて病気以外の原因としては、職場の人間関係、仕事の内容、職場環境が主に挙げられます。

職場の人間関係

職場で感じるイライラの一因として、人間関係の問題があります。

無茶な要求をする上司や、常に不満を口にする同僚、何度指導しても間違いを繰り返す後輩など、周りの人たちの行動によってストレスを感じることがよくあります。

多くの人が毎日の大半を職場で過ごしているため、職場での人間関係は日常生活に大きな影響を与えます。特に上司や同僚との関係に問題が生じると、普段からイライラしやすくなることもあるでしょう。

上司との関係

勤務時間の終了間際の業務指示や、上司のミスのフォロー、あいまいな業務内容、遅い決定など、上司の要求や態度によってストレスを感じることがあります。

同僚との関係

同僚は仕事での悩みを共感できる相手であり、同僚とちょっとした愚痴を言い合うのはストレス発散に繋がります。しかし、顔を合わせると愚痴ばかり言い合ったり、一方的に愚痴を聞かされることが続いたりする場合、それはイライラの原因となります。

また同僚との関係性が悪い職場などでは、疑心暗鬼に陥りストレスを溜め、日常的にイライラしやすくなる場合もあります。

後輩との関係

何度も指導しても改善しない後輩や、作業のスピードが遅い後輩がいると、余分な手間がかかりイライラすることがあります。また、やる気が感じられない態度に不満を感じることもあります。

仕事の内容

仕事の内容が原因となって、慢性的にイライラするという事態に陥る場合もあります。

仕事の量が多い

自分の処理能力を超える仕事量がある場合、イライラを感じることがよくあります。

多くの仕事を同時にこなすためには高度な集中力が必要ですが、そのこと自体がストレスになり得ますし、それによって精神的なゆとりを失うこともあります。

一つのタスクを終えても、まだ解決すべき仕事が山積みになっていると、心理的なプレッシャーを感じることがあります。このような状況には、体力の消耗も伴い、時には周囲に当たり散らしてしまうこともあります。

また、自分にとって本来必要のない仕事を担当していると感じることや、仕事の量が報酬と釣り合っていないと思うと、イライラすることがあります。これらは仕事のストレスに関連する主な原因の一つです。

仕事が自分の適性に合わない

自分の性格やスキルと合わない仕事をすることにより、継続的なストレスを感じることがあります。

自分が不得意と感じる業務を行うと、成果を出すのが困難になり、結果として職務評価にも悪影響を与える可能性があります。

職場環境

パソコンの動きが悪い、ネット通信に問題がある、周りが騒がしい、 周囲の視線が気になるなど、職場環境が整っていないと、作業効率が下がりイライラすることがあります。

外部の要因によって仕事がスムーズに進まないと、イライラも蓄積します。

仕事中イライラが止まらないときの対処法

それでは仕事中にイライラが止まらないときはどうしたらよいのでしょうか?

仕事に感情的にならずに取り組むことは大切です。イライラをうまく処理できるかどうかは、仕事の効率や評価にも影響を与えます。

そこで、イライラを効果的に扱う方法をいくつか見てみましょう。

場所を変えて落ち着く(トイレに行く)

 イライラは、心が疲れているときに起こりがちです。そんなときは、仕事から一時的に離れてリフレッシュするのが良いでしょう。

トイレで気分転換を図り、軽いストレッチや深呼吸をすることで、身体を動かし、気持ちを新たにすることができます。少しの身体の動きで気分が変わることが多いです。

自分を責めるのを止める

イライラしている自分に対処出来ない時、自分を責めないことが大切です。イライラしている自分に気づいたということは、自分を客観視できているということです。その事自体素晴らしいことであり、それを認め落ち着きましょう。

また、仕事でミスをしたときに自分を責めすぎてイライラする場合、自分に対する要求が厳しすぎるかもしれません。「完全でなくてもいい」「時には失敗もある」とリラックスして考えることが重要です。

失敗にばかり目を向けるのではなく、「何を成功させたのか」に目を向け、考え方を変えてみるのも効果的です。

自分が何にイライラしているのか紙に書き出す

他人に対するイライラを感じたときは、「なぜイライラするのか」とその原因を考えてみるのが良いでしょう。

これを紙に書き出すことで、客観的に理解することが可能になります。ただ「相手が悪い」と考えるのではなく、「自分の考え方や固定観念がイライラの原因なのか」を探ることも重要です。原因を理解するだけで、気持ちが楽になることもあります。

自分と他人を切り離して見てみる

イライラするとき、私たちは無意識に相手を変えようとしがちですが、人間関係では「他人を変えることは難しい」ということを理解することが大切です。

自分の考えを他人に強要すると、イライラが増すことがあるので、「その人はそういう性質を持つ人だ」と受け入れることが重要です。

自分のデスク環境を快適にする

自分のデスクを整理整頓して、気に入ったアイテムを配置することは、リラックスするための良い方法です。職場のルールの範囲内で、パソコンの壁紙を変更したり、観葉植物を置いたり、好きな文房具やマグカップを使うことがおすすめです。

誰かに話を聞いてもらう

職場でのストレスを一人で抱え続けると、心身に負担がかかることがあります。そうなる前に、信頼できる誰かに話してみるのが良いでしょう。

家族や友人に少し時間をとってもらい、職場での悩みや不満を正直に打ち明けることをお勧めします。自分の感情を人に話すことで、気持ちが整理されたり、相手の視点からアドバイスをもらえたりすることがあります。

愚痴を言ったり、イライラに共感してもらったりすることは、ストレスを解消するのに効果的です。そうすることで気分がリフレッシュされ、仕事に集中しやすくなる効果が期待できます。

仕事の話を身近な人に言いづらい場合は、外部相談窓口やカウンセラーなど専門家に話をするということをおすすめします。

おわりに

誰しもイライラすることはあります。まずはイライラしているということを認め、自分は何に苛立ちを感じているのか、その原因を理解し、上手く気持ちを切り替える方法を身につけることは非常に重要です。

直後には難しいかもしれませんが、時間を置いてから「その時に何がイライラさせたのか」と冷静に考えると、原因がはっきりすることがあります。

もしイライラが続くときは一人で抱え込まず医師やカウンセラーなど専門家に相談することをおすすめします。

家に帰っても仕事のことでイライラが続いたり、眠れなくなっていたりする場合は特に要注意です。

誰かに話すことで気分が楽になり、見方が変わることもあります。相談は早すぎることはありません。

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記事監修

精神科医専門医・日本医師会認定産業医。
川崎医科大学卒、1988年渡辺クリニック(2018年改称)を開設。
その後、厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の在り方検討委員会」委員、内閣府「自殺対策官民連携協働会議」委員、公益財団法人日本精神神経科診療所協会会長など歴任。
現在、医療法人メディカルメンタルケア横山・渡辺クリニック名誉院長、大阪大学医学部神経科精神科非常勤講師、一般社団法人日本精神科産業医協会共同代表理事ほか。
ストレスチェック法制化においても、厚生労働省「ストレスチェック制度に関する検討会」「ストレスチェック項目に関する専門検討会」「ストレスチェック制度マニュアル作成委員会」などの委員を務める。

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