連休明け仕事に行きたくない・・・原因と対処法を精神科医が解説

メンタルヘルス

ゴールデンウィークや夏季休暇など、「連休明け仕事に行きたくない・・・」と感じる方は多いようです。このような気持ちは多くの方に生じうるものであり、そのように感じる自分を責める必要はありません。

しかし、この気持ちが長引いてしまうと、仕事に対するモチベーションが下がってしまったり、パフォーマンスに影響を及ぼしてしまうこともあります。そこで、今回は、連休明け仕事に行くのが憂鬱になる原因と、それを解決するための対策をお伝えします。

連休明け仕事に行きたくない原因

連休明け仕事に行くのが辛い、怖い、仕事をやめたい・・・。

なぜ、このように連休明けの仕事に行くことが憂鬱に感じるのでしょうか。原因は人それぞれですが、ここでは代表的な4つの原因について説明します。

連休が楽しくて日常に戻りたくないと感じるため

長い休みに入ると、旅行や趣味など気分転換やストレス解消に努めている方も多いかもしれません。しかし、そういった時間が長くなればなるほど、仕事に戻ることが嫌だ・辛いと感じられるかもしれません 

まとまった連休を過ごし、楽しい時間やのんびりとした時間自分のペースで過ごすと「もっと休んでいたい」と思うことが多く、仕事に戻ることが苦痛に感じられる傾向にあります。 

趣味を自由に楽しむ時間と比較すると、仕事をしている時間がつらく感じられるのはある程度当然のことです。

連休に旅行やレジャーなど楽しみすぎて疲れが溜まっているため

長期休暇に旅行やレジャーなど楽しい予定を詰め込んだ場合、疲れがたまることもあります。移動や観光など、普段と違うことを続けることで、連休中に蓄積した身体の疲れが、連休明けに憂鬱な気分を引き起こす原因となることがあります。

生活のリズムが乱れたため

長期休暇中は、普段と違う生活スタイルになりやすいでしょう

遅くまで起きていたり、食事や運動の時間が不規則になっていたりすると、身体のリズムが乱れてしまうことがあります。そのため、仕事に戻ると朝起きることが辛くなってしまったり、仕事中に眠くなってしまい集中力が続かなくなってしまったりすることがあります。

そもそも今の仕事にストレスを感じているため

連休明けの仕事に対する憂鬱感が、仕事そのものに対するストレスからきている場合もあります。

上司や同僚など職場の人間関係に悩んでいる、業務の量が多すぎて負担に感じている、仕事にやりがいが感じられないなど、仕事内容や職場環境に不満がある場合、仕事に行くことが苦痛になってしまいます。

連休中、仕事のストレスから一時的に解放されたことで、仕事に行くことへの抵抗感が余計に強まる場合もあります。

連休明け仕事に行きたくない時の対処法

連休明けは仕事に行くのが辛いというのは多くの方が感じることではありますが、このような憂鬱な気分を軽くするにはどうしたらよいのでしょうか?

手軽にできる対処法をお伝えします。

前日に準備をする

仕事が始まる前日に準備をしておくことで、仕事に対するモチベーションが上がることがあります。例えば、仕事に着る服を前もって決めておいたり、持っていくものを事前に準備しておいたりすると、朝の準備がスムーズになります。

早めに寝る

連休中に生活リズムが崩れてしまった場合、仕事に行く前にしっかりと睡眠をとることが重要です。早めに寝て、朝スッキリと起きるようにしましょう。

リラックスする時間を作る

仕事前にリラックスする時間を作ることで、心身ともにリフレッシュすることができます。例えば、好きな音楽を聴いたり、お気に入りの本を読んだり、ストレッチをしたりすることで、気分を落ち着かせることができます。

連休明けは無理をしない

連休明けの仕事は、通常のペースを取り戻すまである程度の時間が必要です。 

「頑張ってやらなければ、でもなんだかやる気がでない・・・」ということもあると思います。このような時に、焦って通常のペースに戻そうとすると、心身ともに負担がかかり余計に辛くなってしまうことがあります。また、無理に頑張ってしまうと、余裕がなくなり仕事のミスにも繋がりかねません。

ToDoリストを作る 

そういったことを避けるために、ある程度自分で仕事をコントロールできる場合には、あらかじめ仕事のToDoリストを作っておくのがおすすめです。「仕事に戻ったらまたなにかと忙しいのだろう」と思うと、憂鬱な気持ちにもなりやすいでしょう。

連休前もしくは連休中に少し時間を使って連休明けの仕事をしっかりと整理しておくことで、スムーズに業務に取り掛かれるでしょう。できれば連休明けの数日は、必要最小限の業務にとどめ、余裕をもって仕事を進めていけるように計画しましょう 

話を聞いてもらう

連休明け、仕事へのモチベーションが上がらず、憂鬱な気分が続く場合、一人で抱え込まず誰かに話を聞いてもらうだけで気分が楽になることもあります。

また話しているうちに思考の整理ができ、解決方法が明確になることもあります。

友人や家族など身近な人に話しづらい場合は、医師や心理カウンセラーなどの専門家に相談することもおすすめします。

しかし、次のような症状がほとんど1日中、毎日、1週間以上続く場合は、医療機関への相談が急がれます。

■疲れているのに眠れない
■好きなことが楽しめない

上記の症状は、医療的なケアが必要である可能性が高く、早急に医療機関へ相談してください。

おわりに

今回は、連休明けに仕事に行きたくないと感じてしまう場合の原因と対策をまとめてご紹介しました。

生活のリズムが乱れ、仕事にストレスを感じているなど、様々な原因が考えられますが、それぞれに合った対策を取ることが大切です。

仕事に対して後ろ向きな感情が芽生えてしまう前に、自分自身がリフレッシュできる方法を見つけ、前向きに取り組むことが大切です。自分自身のメンタルケアを怠らず、仕事とプライベートのバランスを取りながら、充実した日々を過ごしていきましょう。

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記事監修
渡辺 洋一郎(弊社代表取締役)

精神科医専門医・日本医師会認定産業医。
川崎医科大学卒、1988年渡辺クリニック(2018年改称)を開設。
その後、厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の在り方検討委員会」委員、内閣府「自殺対策官民連携協働会議」委員、公益財団法人日本精神神経科診療所協会会長など歴任。
現在、医療法人メディカルメンタルケア横山・渡辺クリニック名誉院長、大阪大学医学部神経科精神科非常勤講師、一般社団法人日本精神科産業医協会共同代表理事ほか。
ストレスチェック法制化においても、厚生労働省「ストレスチェック制度に関する検討会」「ストレスチェック項目に関する専門検討会」「ストレスチェック制度マニュアル作成委員会」などの委員を務める。

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