「上司から無視」「仕事を辞めたい」仕事のストレスを軽減!考え方を変える方法

仕事のストレスを軽減!考え方を変える方法 ストレスコーピング

「上司から無視されている」「職場の人間関係がうまくいっていない」「仕事にやりがいを感じられない」「業務量が多く、毎日疲れて仕事が辛い」「仕事で失敗したことをいつも考えてしまい、後悔ばかりしている」など、仕事に関する悩みは多く聞かれます。

厚生労働省の調査によれば、仕事で強いストレスを感じる働く人の割合は約6割にも上り、仕事がストレスの大きな要因となっていることがわかります。

しかし、ストレスが大きいと言っても、仕事は生活と結びついているためすぐには辞めてしまうことは難しい場合があるでしょう。

ストレスを溜めてしまうと、心身の症状が現れる場合があります。健康的な日々を過ごすためにも、ストレスを処理することが大切です。

今回は、仕事の辛さやストレス軽減するための考え方を変える方法をご紹介します。

現実の見方を変える

気分は認知によって変わります。

認知とは、現実の見方や受け取り方のことをいいます。

何か出来事が発生したとき、その出来事をネガティブな受け取り方(=認知)をしてしまうと、気分もネガティブになり、そのままネガティブな行動につながってしまいます。

自分の認知の癖を知る

認知修正型ストレスコーピング

人それぞれ現実に対する見方は異なります。

自分にとって嫌な出来事が生じたとしても、「これは自分を成長させるために起こった意味のあるものだ」と捉え乗り越えようとする人もいれば、「もうだめだ」と絶望し適切な行動を取れなくなる人もいます。

ひとつの出来事に対して様々な受け取り方がある中で、往々にして最悪なストーリーを想定してしまうことがあります。そしてその思い込みのために気分が暗くなり、さらにはその気分がその後の行動に影響を与え、ネガティブな行動につながることになります。

出来事が生じた時、自分はどのようなストーリーを想定しているか、自分自身の認知の癖を知ることがまず大切です。

認知や考え方の傾向が、ストレスの要因となる場合があります。認知の癖を知り修正することができれば、自分自身の考え方に囚われ消耗することなく、適切な行動をとることができます。

これらは認知行動療法といわれ、うつ病や様々な精神疾患の治療・再発防止に効果があるだけではなく、より生き生きと働くための企業研修においても取り入れられています。

「上司から無視されている」と感じる場合

例えばよく相談にある例として、「上司から無視されている」「メールをしても返事がない」などがあります。

業務上の連絡で上司にメールを送ったのに、しばらくしても返信がない。そのため自分は上司に嫌われていると思い、憂鬱な気持ちになる。そして、その上司を避け、できるだけ話をしないようになってしまう。
これは典型的なネガティブな認知です。
【認知】メールの返信がこない=私は嫌われている
この思い込み(認知)により、気分が憂鬱になり、その後の行動にも影響が及びます。ではどのように考えたらよいのでしょうか?

考え方を変えるポイント|事実と解釈を切り離す

このような悪循環を防ぐためのポイントは、事実と解釈を切り離すことです。

起きていることは、「上司からメールの返信がこない」ということです。この事実に対する解釈は様々あるはずです。「自分は嫌われている」というのはひとつの解釈であり、それ以外に、別の考え方はないか考えてみることが必要です。例えば、「単純にメールを見逃してしまっている」「忙しくて返信するのを忘れていた」などが考えられるでしょう。

このように事実を客観的に見て、いろいろな可能性を考えてみることが大切です。そして可能性のある受け取り方について、それぞれの可能性を客観的に検証し、問題となっている事態を解決するために最も適切な行動は何か考え、実行することがポイントです。

よくあるネガティブな受け取り方(認知)の例

よくあるネガティブな受け取り方(認知)の例には次のようなものが挙げられます。

  • 証拠もないのにネガティブな結論を引き出す
  • 良いこともたくさん起こっているのに、ささいなネガティブなことに注意が向く
  • ひとつの出来事を一般化してしまう
  • 失敗など悪いことは大きく考え、良くできていることは小さく考える
  • 白黒つけないと気がすまない
  • 完璧主義
  • 否定的な予測をして行動を制限し、その結果失敗し否定的な予測をますます信じ込む

実際にこのような受け取り方をしてしまうことは少なくありません。

修正のポイントは、まずは自分はこういう場面でこういう風に受け取る傾向があるという「こころのクセ」を知ることにあります。

ネガティブな受け取り方(認知)を修正するポイント

  1. 事実に基づいて考える
  2. 視点を変えて考えてみる
  3. ありうる受け取り方について、可能性を客観的に検証する
  4. そのうえで最も適切な行動を考え実行する

「もう仕事が嫌だ」と感じる場合

「仕事が辛い」「もう辞めたい」など仕事そのものを嫌なものに捉える場合も多く見られます。仕事=嫌なものと考えてしまうと、仕事すること自体がストレスとなってしまいます。

例えば、本来なら自分の担当ではないと思う仕事をさせられ、大きなストレスを感じている場合を見てみましょう。

すぐに業務変更ができない場合は、仕事をすればするほど、ストレス状態は悪くなってしまいます。仕事中はただ耐え、別の方法でストレスを発散するしかないのでしょうか?

この場合は、今任されている仕事は自分にとってメリットはないかと見直してみることがポイントです。自分にとって意味があったり、将来に役立つと感じたりすれば、仕事にストレスを感じるどころか、面白さを覚えるかもしれません。

同じ仕事であっても、自分なりの意義を感じられるようになる、あるいはその仕事にやりがいを感じられるようになると、ストレスはかなり軽減されます。逆に納得がいかない、無理やりやらされている、嫌々やっているような仕事には非常に大きなストレスを感じることになります。

そのためストレスに感じている仕事があれば、一度別の角度から眺めてみると良いでしょう。

おわりに

仕事でのストレス軽減に繋がる、考え方を変える方法についてお伝えしました。

しかし、上記に挙げた例の「無視される」「仕事の質や量が適切ではない」などは、ご自身の考え方とは別に、ハラスメントや職場環境に問題がある場合があります。

仕事での悩みがある場合は、一人で解決しようと抱え込まず、産業医や相談窓口に相談することをおすすめします。

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みんなのメンタルヘルス|厚生労働省
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出典
『実践!ストレスマネージメント』渡辺洋一郎 


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記事監修
渡辺 洋一郎(弊社代表取締役)

精神科医専門医・日本医師会認定産業医。
川崎医科大学卒、1988年渡辺クリニック(2018年改称)を開設。
その後、厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の在り方検討委員会」委員、内閣府「自殺対策官民連携協働会議」委員、公益財団法人日本精神神経科診療所協会会長など歴任。
現在、医療法人メディカルメンタルケア横山・渡辺クリニック名誉院長、大阪大学医学部神経科精神科非常勤講師、一般社団法人日本精神科産業医協会共同代表理事ほか。
ストレスチェック法制化においても、厚生労働省「ストレスチェック制度に関する検討会」「ストレスチェック項目に関する専門検討会」「ストレスチェック制度マニュアル作成委員会」などの委員を務める。

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