離職防止のアイデア|成功事例・取り組み事例を紹介!

離職防止

「せっかく採用したのに、すぐ辞めてしまう」
「定着率が悪く、人が育たない」

そんな悩みを抱える企業は少なくありません。特に中小企業では、限られた人員や予算のなかで人材を育て、定着させることが大きな課題になっています。

社員の離職防止は、企業の規模を問わず、安定した経営と成長のために欠かせないテーマです。大企業であっても、長く働き続けてもらうための工夫は必要ですし、環境整備が不十分なままでは人材の流出は止まりません。

社員の早期離職防止サービス

今回は、企業の規模を問わず役に立つ「離職防止のアイデア」を、特に中小企業でも無理なく取り入れられる実践的な工夫や成功事例を中心にご紹介します。「人手も時間も限られているけれど、離職防止策に取り組んでいきたい」という担当者の方にこそ読んでいただきたい内容です。

ぜひ、自社に合ったヒントを見つけて、今日からの改善にお役立てください。

離職防止のアイデアとそのポイント

ここでは、離職防止のために中小企業でも取り入れやすい離職防止のアイデアをご紹介します。各アイデアには、前提となる「課題」もあわせて解説しており、自社の状況と照らし合わせて検討しやすくなっています。

働きやすい職場環境を整備する

社員が安心して働き続けるためには、働きやすい職場環境をつくることがとても大切です。特に残業時間や休みの取りやすさ、上司とのコミュニケーションなど、日々の働き方に対する満足度は離職率に直結します。見過ごされがちな「職場の空気」や「仕事のやりにくさ」に目を向けることが、離職を防ぐ第一歩になります。

課題

・残業が多くても誰も指摘しない

・有給休暇が取りにくい雰囲気がある

・どのくらい働いているか、管理職が把握していない

このような職場では、不満やストレスがたまりやすく、社員が「このまま働き続けるのは無理かも…」と感じてしまう可能性が高くなります。

アイデア

社員が「働きやすい」と感じられるように、労働時間や休暇の取得状況、勤務ルールなどを整備し、運用状況を会社全体で共有していきましょう。

具体的な方法
  • 勤務表に「有休取得状況」「残業時間」を表示
  • 「ノー残業デー(定時退社日)」を週1日設定し、全社的に取り組む
  • 有休取得を目標管理に組み込む
  • 労務管理システムを使って、働きすぎや不規則勤務がないかをチェックする

ポイント

職場の「働きやすさ」は、見た目には分かりにくいものですが、数字やルール、定期的な声かけで少しずつ形にしていくことができます。「ちゃんと休める」「頑張りすぎなくていい」という安心感は、社員の定着につながる大きな要素です。まずは、残業と休暇の状況からチェックしてみましょう。

 

キャリアパスを明示し、将来像を描ける職場に

キャリアの道筋が見えない職場では、特に若手社員の離職率が高くなります。逆に、成長イメージを描ける職場は、長く働きたいと思ってもらえる職場になります。

課題

「このまま働き続けてどうなるのかが分からない」「評価されているのか不明」といった不安は、モチベーションの低下と離職を招きます。特に昇進や昇給の基準が曖昧な企業では、努力が正当に報われないと感じる社員が出てきやすくなります。

アイデア

キャリアパスや評価制度を明確に示すことで、社員が安心して努力を続けられる環境を整えます。目指すべき姿が明確になれば、将来への希望が生まれ、離職を防ぐ効果があります。

具体的なアクション
  • 等級制度・昇進ルールの整備
  • キャリア面談を年1~2回実施
  • 社内でキャリアモデル事例を紹介
  • 資格取得支援制度(費用補助・報奨金)を導入

ポイント

キャリア設計は、単に「出世コース」を示すものではなく、社員一人ひとりの働く意味や方向性を支えるものです。「自分はこの会社でどんなふうに成長できるのか」を伝えられる制度が、定着率を高めます。

教育体制を整え、「できる自信」を育てる

入社直後の不安や孤立感は、離職の大きな原因になります。新人をしっかりサポートする教育体制があれば、安心して仕事を覚えられ、定着率の向上につながります。

課題

業務の引き継ぎが曖昧だったり、「見て覚える」スタイルが主流な職場では、特に未経験者がつまずきやすくなります。分からないことを聞けずに孤立することで、自信をなくして早期離職するケースが後を絶ちません。

アイデア

教育を属人的なものから仕組みに変え、誰でも再現可能な教育体制を整備します。また、メンター制度など心理的フォローを加えることで、安心して仕事に向き合える環境をつくります。

具体的なアクション
  • 業務マニュアルや動画マニュアルの整備
  • メンター制度(月1回のフォロー面談)
  • OJTチェックリストの導入
  • パート・中途社員向けの簡易研修

ポイント

教育体制は「投資」ではなく「定着戦略」です。誰が教えても同じ質になる仕組みを整え、「この会社なら成長できる」と感じてもらうことで、離職を未然に防ぐことができます。

柔軟な働き方を導入して家庭や個人の事情に対応

子育てや介護、病気など、人生にはさまざまな事情がつきもの。そうした場面でも安心して働き続けられる職場環境が、離職を防ぐ鍵になります。

課題

フルタイム勤務や出社前提の職場では、育児や家族の介護、自身の体調不良など、仕事との両立が難しくなった社員が、やむを得ず退職するケースが少なくありません。

アイデア

短時間正社員制度や在宅勤務制度などを導入し、多様な事情を抱える社員でも働き続けられるような選択肢を用意します。事前相談や制度の周知が活用率を高める鍵になります。

具体的なアクション
  • 短時間正社員制度の導入
  • 週1~2日の在宅勤務導入
  • 介護・育児相談窓口の設置と周知
  • 勤務形態の定期案内(イントラネットや社内報など)

ポイント

「柔軟な働き方」は、ただの制度ではなく、社員の人生に寄り添うメッセージでもあります。選択肢の豊富さは、社員の「ここで働き続けたい」という気持ちを強くします。

社員の早期離職防止サービス

離職防止の成功事例・取り組み事例【8選】

離職防止に成功している企業には、共通して「自社の課題を的確に把握し、現場に即した具体的な対策を講じている」という特徴があります。

ここでは、厚生労働省や中小企業庁が公表している事例集を参考にしつつ、それぞれの企業が抱えていた課題や取り組みの背景をふまえて、再構成した事例をご紹介しています。

そのため、一部の表現や構成については参考資料と完全に一致しない箇所もありますが、現場での実践に活かしやすいようにわかりやすく要点を整理しています。

企業規模や業種を問わず応用できる実践的なアイデアとして、ぜひご参考にしてみてください。

参考資料:
「こころの耳」企業事例集(厚生労働省)8
中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例』(2020年2月)(中小企業庁)
職場のパワーハラスメント対策取組好事例集』2016年(厚生労働省)9

仕事と介護の両立支援対応モデル』2015年(厚生労働省)10

評価制度と賃金制度の見直しで納得感をアップ

評価の不透明さは、社員の不満と早期離職を引き起こします。誰もが納得できる仕組みを整えることで、働く意欲と定着率を高めることができます。

課題

「評価されている実感がない」「給与の決まり方が分からない」といった声が多く、社員の不信感が高まっていました。特にパート社員は正社員と比べて評価の機会が少なく、不公平感を抱いていたことが離職の引き金になっていました。

施策

業務ごとに評価基準を細分化した評価シートを作成し、役割や成果に応じた評価を実施。評価の結果は面談などで丁寧にフィードバックし、どこをどう改善すれば良いかが伝わる運用にしました。評価と給与の関係も明示しました。

効果

「評価が見える化されたことで、納得して働けるようになった」という声が増加。個々のモチベーションが高まり、離職率が大幅に改善。職場全体に前向きな雰囲気が広がりました。

評価制度は「仕組み」だけでなく「伝え方」が重要です。納得感を生むには、日常的な対話とオープンな運用が不可欠です。

残業許可制+意識改革で働き方を変えた

「なんとなく残業する文化」を断ち切るには、仕組みと意識の両方からの改革が必要です。

課題

忙しいときはもちろん、そうでない日でも「なんとなく残って働く」ことが常態化し、長時間労働が当たり前の職場になっていました。体力的な負担だけでなく、「働きすぎに見合う評価がない」という不満が若手を中心に広がっていました。

施策

残業には事前に上司の許可が必要な「残業許可制」を導入。加えて「働き方改革研修」を実施し、社員全体の意識を変える機会を設けました。時間内で業務を終える方法をチームで話し合う場も設けました。

効果

残業時間が確実に減少し、社員の働き方に対する意識もポジティブに変化。無理なく定時で帰る日が増えたことで心身の余裕が生まれ、職場の雰囲気も改善されました。

制度を作るだけではなく、「なぜ必要なのか」「どうすれば活かせるか」を社員と共有することで、取り組みが定着します。

地域限定社員制度でライフスタイルに対応

働き方に複数の選択肢があるというだけで、社員は「この会社なら自分の状況に合わせて柔軟に対応してくれる」という安心感を持つことができます。たとえ今すぐ制度を使う必要がなくても、「いざというときに選べる働き方がある」と分かっていることが、安心して長く働こうという気持ちにつながります。

課題

「転勤は当たり前」という制度の中で、結婚や子育て、介護などの事情で転勤できない社員が離職を選ばざるを得ない状況が続いていました。優秀な人材が家庭の都合で退職することが、組織としても大きな損失となっていました。

施策

「地域限定社員制度」を新設し、異動なしで勤務できる正社員コースを整備。従来のキャリア制度との統一感を持たせ、異なる働き方でも正当に評価される体制を作りました。

効果

「ここでずっと働き続けられる」という安心感から、家庭を持つ社員の定着率が向上。特に女性が継続して活躍しやすい職場になり、職場全体の多様性も推進されました。

柔軟な働き方を制度として用意することが、ライフイベントによる離職の抑制に効果的です。

「仕事の見える化」で教育効率がアップ

業務の進め方が特定の社員の経験や勘に頼っている状態では、新人がうまく業務を引き継げず、不安やストレスを抱えやすくなります。結果として「自分には無理かもしれない」と感じ、早期離職につながってしまうことも少なくありません。
そうした属人化を防ぐためにも、業務手順や教育内容を「見える化」し、誰でも同じように教えられる仕組みを整えることが大切です。誰が育成に関わっても一貫性のある指導ができる環境は、安心して成長できる職場づくりの土台となります。

課題

業務の流れが言語化・マニュアル化されておらず、「この仕事は○○さんしか分からない」という属人化が進んでいました。新人が何を学べばよいか分からず、やる気を失って辞めるケースが増えていました。

施策

業務フローを整理し、手順書・マニュアルを作成。OJTと併用できるチェックリストを整備し、育成の進捗も見えるようにしました。教育係の社員への研修も実施しました。

効果

新人が「段階的にできるようになる実感」を持てるようになり、自信と意欲が高まったことで早期離職が減少。ベテラン社員の負担も軽減され、教育が組織力の強化にもつながりました。

マニュアルは「育てる人の安心材料」にもなります。教育が属人化している企業ほど早く取り組むべき分野です。

短時間正社員制度で育児・介護の離職を防止

育児や介護、病気など、やむを得ない事情でフルタイム勤務が難しくなったとき、「本当は働き続けたいのに、この働き方では無理かもしれない」と感じる社員は少なくありません。そうした人たちに柔軟な働き方の選択肢を用意しておくことは、離職を未然に防ぐ大きな手立てとなります。
社員が安心して働き続けられる制度を整えることで、「辞めなくて済む」職場づくりが実現し、結果として経験やスキルを持つ人材の流出を防ぐことにつながります。

課題

育児や介護などライフイベントをきっかけに、やむを得ず退職する社員が一定数いました。特にスキルや経験のある中堅社員が離職することで、現場力に影響が出ていました。

施策

勤務時間を柔軟に設定できる「短時間正社員制度」を導入。短時間勤務でも正社員と同じように評価・処遇される仕組みにしました。制度の利用を促すための社内説明会も実施しました。

効果

家庭の事情を抱えながらも働き続けられる社員が増加。経験者が長く活躍できるようになったことで、職場の安定感が高まりました。

制度の導入だけでなく、上司や同僚の理解促進が定着のカギになります。安心して「使える雰囲気」づくりも並行しましょう。

メンター制度導入で「孤立感」を解消

職場での孤立感は、特に新入社員や若手社員にとって大きな不安要素になります。「わからないことが聞きづらい」「困っても誰に相談していいかわからない」という状態が続くと、やる気や自信を失い、早期離職につながってしまうことも少なくありません。

そのため、日常的に相談できる先輩社員の存在や、気軽に話せる関係性があることは、職場への安心感を生み出します。メンター制度のように「この人に相談していい」という役割を明確にしておくことは、離職防止において非常に効果的な仕組みといえます。

課題

入社した新人が「相談できる人がいない」「何が正解か分からない」と孤独を感じ、短期間で離職することが続いていました。

施策

年齢やキャリアの近い先輩社員をメンターに任命し、新人との定期的な面談(1on1)を実施。業務に関する相談だけでなく、メンタル面のフォローにも注力しました。

効果

新人が「ここにいても大丈夫」と感じられるようになり、職場への定着率が大きく向上。メンター自身の成長にもつながり、社内の人間関係の質が高まりました。

誰か一人でも「自分を気にかけてくれる人」がいると、職場への安心感は大きくなります。仕組みとして制度化することがポイントです。

スキルの「見える化」で成長意欲を刺激

仕事に取り組むうえで、「自分は今どのレベルにいて、次は何をできるようになれば良いのか」が分かることは、社員のモチベーションを大きく左右します。目標が見えないまま働き続けると、やりがいや達成感を感じにくく、次第に成長意欲も薄れてしまいます。

そこで、スキルや業務の習得状況を一覧化し、誰でも自分の現在地と成長の方向性を把握できるようにする「スキルの見える化」は効果的な仕組みです。「あと少しで〇〇ができるようになる」「今は〇〇を習得中」というように、自分の変化や成長が実感できることで、前向きな気持ちで働き続けられるようになります。

課題

社員が自分のスキルや成長段階を把握できておらず、「何を頑張ればいいか分からない」と感じていました。キャリア形成が見えにくく、モチベーションが続かない状態でした。

施策

社員ごとに「今どんな仕事ができるのか」「次にどんなスキルを身につけるのか」を一覧にまとめ明示。個人ごとの育成計画を立て、上司と共有できるようにしました。

効果

社員が目標を持って働けるようになり、成長意欲が向上。お互いのスキルを把握することで、チームでの助け合いもスムーズになりました。

「がんばりどころ」が明確になると、離職リスクは大幅に減ります。評価制度とも連動させると、より効果的です。

ノー残業デーと業務分担の見直しで負担軽減

業務の一部が特定の社員に偏っていると、その人だけが長時間残業や過重な業務を抱えることになり、不満や疲弊につながります。そうした「一部の人だけが大変」な状態が続くと、職場全体のバランスが崩れ、他の社員にも悪影響を及ぼします。

課題

特定の社員に業務が集中しており、長時間労働や精神的な負担が常態化。「頑張っても報われない」と感じた社員が次々に退職する状況が続いていました。

施策

業務の洗い出しを行い、タスクの偏りを解消。あわせて「週1回のノー残業デー」を導入し、定時で帰る日をつくることで業務改善の意識も高めました。

効果

全員が協力して仕事を進める体制ができ、残業が減少。若手社員の定着率が向上し、「働きやすい会社」という認識が社内外に広がりました。

業務分担の見直しは「働き方改革」の基本です。チーム全体で支え合う文化が定着すれば、離職リスクは大きく下がります。
 
社員の早期離職防止サービス

離職防止に役立つチェックポイント

社員の定着を高めるためには、「制度の有無」だけでなく、「日常的な運用」や「職場の雰囲気」も含めて総合的に見直すことが大切です。以下の視点をもとに、自社の状況をぜひチェックしてみてください。

✔ 評価制度に不公平感はないか
社員が「何をどう頑張れば評価されるのか」が分かっていないと、不満や不信感が生まれます。評価基準が明確で、誰にとっても公平に運用されているかを見直しましょう。

✔ 相談しやすい風土があるか
職場において、上司や同僚に気軽に相談できる雰囲気があるかどうかは、安心して働き続けるうえで重要です。悩みや困りごとが放置されていないか、日常的な声かけや1on1の場があるかを確認してみてください。

✔ 家庭や個人の事情に合わせた働き方ができるか
育児、介護、病気などの事情がある社員にも働き続けてもらうためには、柔軟な働き方の選択肢が必要です。制度が整っているかだけでなく、「実際に使いやすいか」「使いづらい雰囲気はないか」も見直すポイントです。

✔ キャリア形成の支援があるか
社員が「この会社で成長できる」と思えることは、定着意欲に直結します。キャリアパスや育成計画、資格取得支援、面談など、キャリア形成を支える仕組みが整っているかを確認しましょう。

✔ 教育・研修体制は整っているか
新入社員や未経験者がスムーズに業務を覚えられる環境があるか、ベテラン社員の負担が偏っていないかをチェックしましょう。マニュアルや研修資料、OJT体制の有無もポイントです。

このような観点から自社の現状を振り返り、「今すぐできること」から着手することが、離職防止の第一歩になります。

おわりに

社員の離職を防ぐためには、必ずしも特別な制度や高額な投資が必要なわけではありません。
むしろ、社員一人ひとりの働き方や気持ちに寄り添い、「ちょっとした工夫」や「運用の見直し」を積み重ねることが、職場の「働きやすさ」や「安心感」につながっていきます。

まずは自社の課題を正しく把握し、できるところから一つずつ改善を進めていきましょう。
小さな改善でも、社員にとっては「自分を大切にしてくれる会社」という大きなメッセージになります。

ぜひ、この記事のアイデアや事例を参考に、貴社に合った離職防止策を検討してみてください。
人が辞めない職場づくりは、組織の未来を守る大きな一歩になります。

社員の早期離職防止サービス

 

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