産業医の選任報告に必要な添付書類は?記入例から届出先まで解説

産業医の選任報告に必要な添付書類は?記入例から届出先まで解説 人事労務担当者向け

産業医は、常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場で選任が義務付けられ、選任後は遅滞なく所轄の労働基準監督署へ報告する必要があります(労働安全衛生規則〈労働安全衛生法〉第13条第1項)。

届出については「遅滞なく」とあり、産業医の選任報告に提出期限は明記されてはいませんが、産業医の選任後はなるべく早く選任報告する必要があります。

届出書類作成については一見面倒に感じますが、実はとても簡単です。

さらに厚労省ではオンラインで書類を作成できる入力支援サービスも用意されています。ユーザー登録は不要です。

▼入力支援サービスはこちら(厚労省のサイトに飛びます)▼
https://www.chohyo-shien.mhlw.go.jp/

今回は、選任報告の書類ダウンロード、書き方から届出まで解説いたします。

産業医の選任報告に必要な書類・添付書類

産業医の選任報告に必要な書類は、「産業医選任報告」です。

「産業医選任報告」は厚労省のウェブサイトからダウンロードできます。
▼ダウンロードはこちら(厚労省サイトに飛びます。)▼
【総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告】
https://www.mhlw.go.jp/content/000743322.pdf

産業医の選任報告に必要な添付書類は、
・医師免許の写し
・産業医であることを証明する書面(次の1〜7いずれかに該当することを証明する書面(又は写し)) です。

 1 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者
(法人に限る。)が行うものを修了した者
 2 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であつて厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの
 3 労働衛生コンサルタントで試験区分が保健衛生である者
 4 大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師の職にあり又はあった者
 5 上記1〜4以外に厚生労働大臣が定める者(労働安全衛生規則第14条第2項第5号に規定する者)
 6 平成8年10月1日以前に厚生労働大臣が定める研修の受講を開始し、これを修了した者
 7 上のいずれにも該当しないが、平成10年9月30日において産業医としての経験年数が3年以上である者

産業医の選任報告の記入例

産業医選任報告の用紙はこちらからダウンロードし、必要事項を記入します。
https://www.mhlw.go.jp/content/000743322.pdf

オンラインで書類作成する場合はこちら
https://www.chohyo-shien.mhlw.go.jp/

産業医選任報告の記入例】(クリックすると拡大します)

産業医選任報告の記入例

労働保険番号の確認方法

労働保険番号は、事業場の「労働保険 保険関係成立届」労働保険番号は、過去の労働保険の概算・確定保険料申告書、労災保険申請書、労働保険の年度更新申告書などに記載されています。

また労働保険(労災・雇用)に加入した後に受け取れる労災保険加入証明書や、入会している労災保険加入団体に問い合わせることで調べられます。

専属の別

【専属】当該会社のみ勤務している場合
【非専属】それ以外の事業場に勤務している場合
常時1000人以上の労働者の場合や、有害業務の従事者が500人以上の場合は「専属」である必要があります。

詳しくはこちらをご覧ください。

産業医とは?設置基準・役割や業務内容・専属と嘱託の違い
産業医とは、安全衛生法に基づき従業員の健康管理のため企業が選任する医師のことです。従業員50人以上の職場では選任が義務づけられており、その役割も多岐に渡ります。 今回は産業医についてわかりやすく解説していきます。 産業医とは? ...

専任の別

【専任】当該会社で産業医以外の仕事はしない場合
【兼職】病院勤務など産業医以外に他の仕事もしている場合

種別

種別は「産業医選任報告」用紙の裏面に記載されているコードから該当する数字を記入します。

日本医師会や産業医科大の研修を修了した場合の種別は「1」、産業医科大学卒業者は「2」となります。

産業医種別コード(画像引用:https://www.mhlw.go.jp/content/000743322.pdf

産業医の医籍番号

産業医の医籍番号は、医師免許証に書かれている医籍番号を記入してください。

印鑑は不要

労働安全衛生規則等の一部が改正され、産業医選任報告において産業医及び事業者の押印は不要です。

産業医選任報告の提出について

書類を制作し添付書類(選任した産業医の医師免許の写し・産業医であることを証明する書面)を用意できたら、提出して完了です。

産業医選任報告の提出先

産業医選任報告書類の提出先は、事業場の所轄の労働基準監督署です。
全国の労働基準監督署の所在地はこちらから確認できます。
全国労働基準監督署の所在案内(厚生労働省)

産業医選任報告の提出方法

提出方法は、
・労働基準監督署の窓口に直接提出
・郵送で提出
・電子申請(e-Gov電子申請) です。
e-Gov電子申請はこちらからご利用いただけます。
https://shinsei.e-gov.go.jp/

おわりに

産業医選任報告の作成は一見大変そうに見えますが、記入項目も少なく面倒なことはありません。厚労省のオンライン書類作成サービスを利用すれば、さらに作成は簡単です。

記入項目については今回の記事を参考に、書類作成を進めてみてください。

(参照)
「産業医について〜その役割を知ってもらうために」(厚生労働省)


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記事監修
渡辺 洋一郎(弊社代表取締役)

精神科医専門医・日本医師会認定産業医。
川崎医科大学卒、1988年渡辺クリニック(2018年改称)を開設。
その後、厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の在り方検討委員会」委員、内閣府「自殺対策官民連携協働会議」委員、公益財団法人日本精神神経科診療所協会会長など歴任。
現在、医療法人メディカルメンタルケア横山・渡辺クリニック名誉院長、大阪大学医学部神経科精神科非常勤講師、一般社団法人日本精神科産業医協会共同代表理事ほか。
ストレスチェック法制化においても、厚生労働省「ストレスチェック制度に関する検討会」「ストレスチェック項目に関する専門検討会」「ストレスチェック制度マニュアル作成委員会」などの委員を務める。

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