「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」は、過重労働による健康障害を防止するため、働く人それぞれの疲労蓄積度を判定するためのチェックリストとして、厚生労働省が公開しているものです。
働き方改革の推進や急速に進んだテレワークなどにより働く人々を取り巻く情勢が大きく変化してきたことから、チェックリストの内容について見直しが行われ、2023年改訂版が公開されました。
疲労蓄積を、自覚症状と勤務の状況から判定するチェックリストを活用して、ご自身の疲労蓄積の程度を確認してみましょう。
労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(2023年改正版)
※個人情報の入力はありません。結果は保存されません。
質問は前半「1. 最近1 か月間の自覚症状」(14項目)、後半「2. 最近1 か月間の勤務の状況」(13項目)あります。
※1:へとへと:非常に疲れて体に力がなくなったさま
※2:深夜勤務の頻度や時間数などから総合的に判断してください。 深夜勤務は、深夜時間帯(午後10 時-午前5 時)の一部または全部を含む勤務をいいます。
※3:肉体的作業や寒冷・暑熱作業などの身体的な面での負担をいいます。
各質問に対し、最近1 か月間で最も当てはまる項目を選択してください。
結果について
疲労蓄積度の判定は「低いと考えられる」「やや高いと考えられる」「高いと考えられる」「非常に高いと考えられる」の4つに分かれています。
「やや高いと考えられる」「高いと考えられる」「非常に高いと考えられる」
結果が「やや高いと考えられる」「高いと考えられる」「非常に高いと考えられる」の場合は、疲労が蓄積されている可能性があり、勤務状況の改善が必要です。
改善が必要な項目は、後半の質問「2. 最近1 か月間の勤務の状況」(13項目)で当てはまったものとなります。
個人の裁量で改善不可能な項目については、勤務の状況を改善するよう上司や産業医等に相談してください。
ただし、次の症状が続いている場合は注意が必要です。
■好きなことが楽しめない
このような症状がほとんど1日中、毎日、1週間以上続く場合は、医療機関に受診してください。
「2. 最近1 か月間の勤務の状況」の質問内容
以下の項目に当てはまるものがある場合、勤務の状況を改善する必要を示しています。
1. 1か月の労働時間 |
□ 適当(0) |
□ 多い(1) |
□ 非常に多い(3) |
2. 不規則な勤務 |
□ 少ない(0) |
□ 多い(1) |
- |
3. 出張に伴う負担 |
□ ない又は小さい(0) |
□ 大きい(1) |
- |
4. 深夜勤務に伴う負担 |
□ ない又は小さい(0) |
□ 大きい(1) |
□ 非常に大きい(3) |
5. 休憩・仮眠の時間数及び施設 |
□ 適切である(0) |
□不適切である(1) |
- |
6. 仕事についての身体的負担 |
□ 小さい(0) |
□ 大きい(1) |
□ 非常に大きい(3) |
7.仕事についての精神的負担 |
□ 小さい(0) |
□ 大きい(1) |
□ 非常に大きい(3) |
8.職場・顧客等の人間関係による負担 |
□ 小さい(0) |
□ 大きい(1) |
□ 非常に大きい(3) |
9. 時間内に処理しきれない仕事 |
□ 少ない(0) |
□ 多い(1) |
□ 非常に多い(3) |
10.自分のペースでできない仕事 |
□ 少ない(0) |
□ 多い(1) |
□ 非常に多い(3) |
11.勤務時間外でも仕事のことが気にかかって仕方ない |
□ ほとんどない(0) |
□ 時々ある(1) |
□ よくある(3) |
12.勤務日の睡眠時間 |
□ 十分(0) |
□ やや足りない(1) |
□ 足りない(3) |
13. 終業時刻から次の始業時刻の間にある休息時間 |
□ 十分(0) |
□ やや足りない(1) |
□ 足りない(3) |
疲労回復の方法
疲労は自覚なく蓄積する場合もあり、日常的なケアが重要です。疲労回復の方法をご紹介します。
睡眠を十分にとる
睡眠は、身体や脳の機能を回復させる重要な時間です。睡眠不足は、疲労の原因になります。一日に7~8時間の睡眠を目安にしましょう。
栄養バランスの良い食事をとる
食事は、エネルギー源や体を作る材料になります。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取しましょう。
適度な運動をする
運動は、血液の流れや代謝を促進し、疲労物質の排出や筋肉の強化に役立ちます。運動不足は、疲労の原因になります。一日に15~30分程度の運動を心がけましょう。
リラックスする
ストレスは、疲労の原因になります。ストレスを溜め込まずに、自分の好きなことや楽しいことをすることで、リラックスできます。音楽を聴いたり、本を読んだり、友人と話したりするなど、自分に合った方法でリラックスしましょう。
話す・相談する
悩みなどがある場合、一人で解決しようと抱えず誰かに相談することをおすすめします。話すだけでも気分転換になり、悩みの捉え方が変わることがあります。
また、話すことで客観的に問題を捉えることができ、思わぬ解決方法がみつかるかもしれません。
おわりに
疲労を蓄積しないためには、毎日の疲れをこまめに解消することが重要です。無理がない範囲で運動を取り入れ、質のよい睡眠をとることが重要です。
また職場環境の改善について必要があれば、上司等に相談することをおすすめします。
(参照)
「労働者の疲労蓄積度 自己診断チェックリスト(2023年改正版)」(中災防)https://www.jisha.or.jp/research/pdf/202304_02.pdf
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